不動産鑑定士の報酬

2011.10.07

不動産鑑定業の平成一五年度の報酬額(売上高)は、全体でも四六一億円と箱庭のように小さな専門業界である。その内訳は、知事登録業者の報酬額が三一三億円、大臣登録業者が一四八億円となっており、中小不動産鑑定業者が全体の六八%を扱っている。業者全体としてみると、知事登録業者の力は圧倒的だ。しかし一業者当たりの年間報酬額は、全平均で一四五〇万円。知事登録業者が一〇〇〇万円であるのに対して、大臣登録業者は一六○○万円と高い。大手の大臣登録業者は、営業範囲、処理能力、鑑定能力など多くのメリットがあるから、顧客からの報酬もそれだけ高くなる。一件平均報酬額にすると、知事登録業者の一九万八〇〇〇円に対して大臣登録業者は一・五倍の三〇万二〇〇〇円になる。また、その差は、不動産鑑定士等一人当たりの報酬額に響いてくる。大臣登録業に従事する不動産鑑定士の年間報酬額は平均一三六〇万円、知事登録業者の不動産鑑定士で平均七八〇万円だ。大臣登録業者では、一業者当たりの年間収入が高く、一件当たりの報酬額が多ければ不動産鑑定士への給与も多く支払えるし、能力のある不動産鑑定士をより多く雇う余裕も出てくるので、むずかしい物件の鑑定書作成も可能となり、ノウハウも貯まっていく。そして、その逆の現象が知事登録業者に起こってくるのである。大手集中のあおりを受け、大都市の中小個人鑑定業者の経営が苦しくなり、中小業者は大手不動産ネット鑑定会社の下請け不動産鑑定会社に姿を変えつつある。

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