昭和64年以降急速に冷え込んでいく

2011.09.30

昭和60年ごろからの土地投機資金は、金融機関から不動産業者を通して、最終的には土地を売却した人に渡っている。それは金融機関から直接不動産業者へ融資された分が約15兆円、その他信販会社や個人投資家を通じた分が約5兆円である。全体で20兆円近い金が個人や企業に渡っていることになる。これが消費を盛り上げている効果も無視できない。土地投機は、いわば金融機関が市中に対して多額の資金を大盤ぶるまいしたようなものである。昭和62年のGNP345兆円に対して、20兆円は5.7%に相当する。2年間にわたっているから、1年間については2.9%弱となる。まことに皮肉なことであるが、金融機関と不動産業者、一般企業の一部や個人投資家の土地投機は、実は国内の円高不況に対して強力なカンフル剤的役割を果たし、国内の景気をもり立てることに貞献したといえる。このことは、政府の公共弘業の上乗せ分の4兆〜5兆円に比べても、はるかにその額が大きいことからも理解できよう。したがって、昭和63年の近年にない好景気は決して長続きするものでなく、昭和64年以降急速に冷え込んでいくことが予想される。

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